【5/n】路上生活からの脱却日記 – はじめてのタイミー – コンビニ業務に突撃編
最近大きな出来事がありました。日記形式というか、「先生あのねノート」形式で記載しているので、フランクに読んでいただけましたら幸いです。
まず、一週間程度の短期ではあるものの、東京から脱却して路上生活ではなく、実家に帰省し子供部屋おじさんをやっていること。これは、路上生活開始当初から決めていたことなのだが、私はどんなに自暴自棄になっても、運転免許証だけは今後も必要になる機会が訪れるだろうから必ず更新することを決めていたのです。そんな時期にホームレスになるなという考えの方が正常な判断なのでしょうが、手持ちの金銭残高がかなり少なくなると、生命の危機を感じてなかなか正しい判断を下しづらいものだと実感しました。
反対に、免許証更新の時期だとわかっていたから住民票を実家に移した(更新ハガキがないと困る)のであって、これがなければ、社会的な住所を無くしてどうにもならなかった可能性は高いです。
会社員時代に一時期ハマって取得したバイクの免許も、バイクすら購入せず、ずーっとペーパー免許のままであったものの、無職になってから、ウーバーイーツ配達員としてバイクを運転できたことで、自転車よりは楽に稼ぐことに繋がったし、保身のために持つべきものは免許だと感じていました。したがって、免許の更新は必須な作業であるのですが、いかんせん路上生活であり、住民票は住んだこともない実家に移していたし、ウーバーイーツ配達中に交通違反をした経験もあり、遠方で、すなわち、住民票のある都道府県と異なる都内で、免許証の更新・更新講習を受けることは制度的に不可能でした(ゴールド免許だと、遠方での更新が可能というインセンティブがあるらしい)。
それともう一つ、短期間の帰省(後に実家に定住を決意しますが、それは後の記事で書きます)の目的は、タイミーという日雇い派遣アプリを媒介して、コンビニの業務を経験することでした。プロジェクトX風にいえば、「未経験コンビニバイトに突撃せよ」です。
読者のみなさんはタイミーというアプリをご存知だろうか。このアプリを介して労働をすると、ほぼ即時的に報酬受け取りが可能なこともあるし、労働者を求めている側としても、ずっと従業員を抱える必要はないけど単発で労働力が欲しい時、このアプリを介して募集をかけると労働者を集めることができるアプリである。この際、搾取とか中抜きとかはどうでもいい。
このアプリを労働者側の視点で覗いてみると、「コンビニ経験者限定」という案件が目立つ、というかコンビニは基本的に経験者限定の募集であることがわかる。その日暮らしで切羽詰まっている状態だと、コンビニの業務経験が、国家資格であるかのように思えてくるのではないだろうか。笑
たしかに日雇いで、しかも、連続して同じ店舗に勤務する可能性の薄いタイミーから派遣された人間を、教育・研修するメリットなど雇い主側には無いこともよく理解できる。しかしながら、タイミーで募集されているコンビニはコンビニ経験者限定なのである。となると、なんとかしてコンビニの業務経験を積みたいと考えるのが人情というものであろう。笑
実は僕が「タイミー」を初めて知ったのは、1年くらい前にファミマが労働者不足を懸念して、タイミー派遣者向けにお給料を支払って3時間くらいレジ・接客研修を行う、というネットニュースを見たときだった。その時僕はフードデリバリーの配達員をやっていたと記憶している。したがって、タイミーを実際にインストールし、現実を知る以前は、ファミマはこの研修を定期的に継続していて余裕でコンビニ業務も応募できるものだと考えていた。しかし、甘かった。その初回の試み以来研修は行われていないのである。加えて、コンビニの案件は争奪戦なのである。
したがって、私の短期帰省の目的は、田舎に帰省している期間中に、⓵運転免許証の更新と住所変更、⓶タイミーでコンビニ業務を経験する、⓷できれば格安SIMに乗り換える、この3つでした。
簡単に言えば、都心で路上生活中でもコンビニ経験者限定の案件に応募できるように、未経験ではあるが田舎のコンビニに突撃するという作戦である。田舎であれば、東京よりは客足も少ないだろうと考えていた。そして、マニュアルに近しいものは膨大ではあるもののwebの海に浮かんでいるのである。タイミーで田舎のセブンイレブンに応募した。
そして、以前の日記に何度か記載しているが、ホームレスになってこのブログがアドセンスに通ったこともあり、Twitterを始めたことで、お互いのすべてを知るわけではないものの、気さくに上記のようなことを教えてくれる人にも出会った。
これを「コンビニ未経験凸作戦」とでも呼ぼう。
コンビニ未経験凸作戦を成功させるためには?
簡単だ。未経験とバレないような事前知識があればよろしい。
これは現代のホームレスが日常において意識的か無意識的にかを問わずよくやっていること、すなわち、一般人への擬態と同じである。ホームレスが一般人に擬態するが如くコンビニ未経験者がコンビニ経験者に擬態すればよいのである。コンビニ経験者であるか否かは、一挙手一投足を眼で見て視覚的に判断されるだろう。これは形態学に近い。だからこそ動物の擬態は成功するのである。擬態と見抜かれる擬態は擬態とは呼べない。しかしむしろ、嗅覚も判断材料に加わるホームレスから一般人への擬態よりも、この作戦の遂行は簡単かも知れないとポジティブに考えた。笑
さっそく私はwebでコンビニの、タイミーで応募済みのセブンイレブンのマニュアルを探した。しかし、検索のかけ方が下手くそなためか、それらしいブログ記事はヒットするものの、マニュアルにより近しいものは見つけることができなかった。
ところで、ショットワークスという日雇いアプリと違ってタイミーの優れている点は、労働者から雇い主へのレビューが公開されている点にあると私は以前から考えていた。そこには業務内容がどのようなものであったかを記載してくれているタイミー戦士もいるため、毎回毎現場不安な日雇い労働者にとっては大変に助かる仕様なのである。
私の応募したコンビニのタイミーレビューを見ると、完全にレジ業務一本だと記載してくれていたタイミー戦士がいた。よって、未経験コンビニ凸作戦の成功のため、私はレジ業務の遂行のみに全身全霊をかけweb検索した。
現在のセブンイレブンはセミセルフレジと言って、お客様の商品を店員さんがバーコード読み取りを行い、レジ袋の必要の有無を述べる程度で、残るはお客様がセルフ操作で決済を行うことは都内のセブンを利用した経験から容易に想像が出来た。早い話が、「バーコードを読み取る」以外のレジ業務を遂行できれば、少なくともレジ業務においてはセブンイレブン経験者への擬態が成功するはずである。
「バーコードを読み取る」以外のレジ操作とは何か、よく考えてみた。すると、これには著明な特徴があると気づいた。それはお客様との自然言語による意思疎通である。これを世間一般的にはおそらく接客というのであろう。これはPCに詳しいガジェットオタクならば想像しやすいと思う。CUI(Character User Interface)というものである。スターバックスはCUI(Character User Interface)の形態をとり、松屋はGUI(Graphical User Interface)の形態を取る。


セブンイレブンのセミセルフレジはこの2つの形態の組み合わせであることを事前に想像することができた。おそらく読者のみなさんも上記の文章で想像できるはずである。だから"セミセルフ"レジと呼ぶのである。
つまり、バーコードを読み取る以外のレジ操作は、お客様との自然言語による意思疎通、さらに限定すると、空気の振動すなわち音波という入力を、従業員が聴覚で捉え脳内で認識後にレジに画面操作、すなわち、レジからの電磁波を視覚的に捉えGUIで登録し、最終的にコンピューターがはじき出した合計金額を自然言語、かつ、空気の振動によってお客様に出力伝達する、加えて、またしてもお客様はGUIの画面操作により決済方法を選択、ならびに決済するという流れなのである。
ここまでのフローがわかればもう十分であろう。私はわざわざ客の立場でセブンイレブンに訪れて、バーコードを読み取る以外のレジ操作が発生する注文を何度かお願いしてみた。
それは、ホットスナックの注文であり、中華まんの注文であり、ホットコーヒーやアイスコーヒーの注文であり、新聞紙の購入であることはお客の立場から見ても明らかである。タバコの注文だって同じはずである。したがって、これらの操作はおそらくはレジに画面入力するボタンまたはタッチパネルが備えられており、登録するはずだと確信した。笑
結果、タイミーでの初めての稼働と未経験コンビニ凸作戦は無事成功したのである!!!!
しかし、すべてを上手くこなせるほど現実は甘くなかった。セブンイレブンにはナナチキという商品と揚げ鶏という商品がある。店舗ごとのホットスナックボックスのテプラの貼り方によると思うが、ある程度の経験が無いとレジ側からはこれらの見分けが付かないため、注文されて非常に焦った。笑
また、レジの制御システムを理解した気になっていたが、バーコードを読み取る以外のレジ業務にはホットスナックの提供等も含まれることを忘れていた。
実際に中華まん類を包装紙に包む職人技的な手さばきを真似る対策はまったくしていなかった。笑 あれは難しい。それと同様に戸惑ったのがレンジ操作である。慣れてしまえばどうということはないが、私の訪れた店舗は、商品指定の温め時間を手入力していた。レンジの操作に慣れていれば問題ないと思うが、ホームレス(路上生活)と電子レンジっておそらく河川敷の発電機保有ホームレスを除いて無縁の存在なのではないかと思う。
150とレンジに入力して、レンジが加熱時間1分50秒と認識することに、個人的には大変抵抗感を感じた。150と入力したら、150秒、すなわち、2分30秒だと思わないだろうか?笑 しかし、当該店舗の入力方法によれば150と入力したら1分50秒、110秒だという。最初は頭が混乱した。
この個人的な頭の悪さにより、何度か入力ミスがあり、レンジ表示の秒数から脳内で引き算をしてレンジを手動停止するというチェルノブイリ原子力発電所の実験みたいなことをやった。笑
ちなみに8時間だけ勤務経験のある(月払いの通常のバイト契約だったけどすぐ無理だと悟って退職をお願いした)ナチュラルローソンでは、温め商品には指定の番号がバーコード横あたりに付されており、その指定番号をレンジのボタンで指定するだけという画期的なものであったと記憶している。そこまでするなら、レンジ側が温め商品のバーコードを読み取って自動起動してくれよと思わなくもないが。
田舎の店舗で驚いたのは、レンジでチンしてくれという依頼が極端に少ないことである。肌感覚でお弁当すら温めていくお客様は1割~2割に近いように感じた。都内であれば8割近く温め依頼が当然のような考えであったから、驚いた点である。
結局のところ、周りの従業員様の助けもあり、なんとか初回勤務と2日目の勤務を終え、「コンビニ経験者」の称号を得ることが出来た。しかし、都内のセブンイレブンの募集には、あくまでタイミーの募集においてだが、私のような人間の対策のためか、「コンビニ経験とは勤務経験100時間以上を言います」とか、「固定店舗で3ヶ月以上」とか、細かく定義するようになり、都内で応募する気はまったく失せてしまった。笑
え、なんのために未経験凸したのと思わなくもない。
しかし、コンビニという日本独自のサービスに店員側から触れることができて大変良い経験になったと思う。これからコンビニ業務に挑む方の何らかの参考になれば幸いです。ここまで駄文をお読みいただきありがとうございました。
ではまた。