練馬管轄新宿区住みで予備車検付きの400ccバイクを中古新規で緑ナンバー登録してウーバーイーツの配達に使う実践的な方法

Summary

 私はUberEatsの配達にも使いたいし、買い物などの普段使いもしたいし、ツーリングにも出かけたいし実家に帰省する際に高速道路にも乗りたいというわがままな願いを抱え、悩みに悩んだ挙句、YAMAHAの宝石、SRX400を購入しました。

 私個人としては、過去に250cc未満の軽二輪を新規で、すなわち、ナンバーがついていない状態から緑ナンバーを取得した経験はありますが、今回は250ccを超えるバイクである「小型二輪車」の中古新規登録を行いました。過去の経験から、自家用ナンバーから緑ナンバーへの変更ではなく、新規で緑ナンバーにする行程の情報は意外に少なくweb上にもあまり記事を見かけないことを知りました。

 よって、本稿では「中古新規」かつ「緑ナンバー」かつ「予備検査付き」かつ新宿区居住」という少しカオスな組み合わせにおいて、予め必要申請書類及び周辺の基礎知識等を確認し、運輸支局及び自動車検査登録事務所の混雑緩和に貢献することを目的とし整理します。

 冷静に俯瞰すると、中古新規で緑ナンバー取得の方法に「予備検査証付き」、「新宿区居住」という2つの条件が加わっただけですが、初めてですと混乱する可能性があるため整理します。印刷代金は別途かかるものの事前にコンビニやプリンターで印刷し必要事項を記入しておくと、行政側の確認と必要諸経費の精算並びにナンバー発行だけで終わるため、運輸支局や自動車検査登録事務所でごちゃごちゃと迷う必要がなくなります。

 なお、「小型二輪車」というと125cc以下の原動機付き自転車を想像してしまいがちですが、ナンバー取得などの区分が定められている「道路運送車両法」における区分では「二輪の小型自動車」と明記されており、本稿で記載する小型二輪車」は250ccを超える車検の必要なバイクを指すものとします。

 また、この記事では基本的にバイクを対象としています。自動車等に流用できるかは分かりかねます。この記事の情報は2025年2月14日時点のものです。

長ったらしい文章を読みたくない方へ

 長文を読むのが苦手であったり億劫な方は申請書類を先に見てしまうのがおすすめです。なぜなら、申請書類を見れば以下で長ったらしく説明している、「こんな申請」「あんな申請」が可能か?と言う疑問が一気に晴れるからです。申請書類に選択欄があるのならば、それは申請が可能であろうと推測でき、おそらく申請できます。

 長文を読むのが億劫な方はこちらから申請書類一覧を列挙している見出しへ。

 ※私個人の文章力不足は先に謝罪しておきます。申し訳ございません。

予備検査とは何ぞや

  ヤフーオークションやメルカリという売買プラットフォームにおいても、所謂バイクショップ様がそのプラットフォームを利用して販売している場合に、よく「予備検査の取得をしてお渡しします」とか「予備検査別途n万円で承ります」などの記載を目にすることがあります。これはどういった検査・手続きなのでしょうか?

車検前の整備・検査とは異なる(ややこしいので注意)

 混同してしまうとややこしいため予め記載しますが、「車検・ユーザー車検」の前の「検査場で光軸調整などを行う」という意味でも「予備検査」などど呼ばれることがありますが、これとは異なります。自動車検査登録事務所の付近には、車検サポート工場(これを予備検査場などと呼称する場合がある)など予め車検が通るように同じような検査をしてくれる施設があります。これを予備検査と呼ぶこともありますが、今回の話は全く別の話であることに注意が必要です。

 この見出しの予備検査は、主に「ユーザー車検」を受ける、言わば素人でも円滑に車検に通るように、予め検査をおこなってくれる、という趣旨の検査です。

予備検査とは

 ナンバーがない中古バイクのナンバーを取得しようとするとき、ナンバーの交付申請を行う前に、車体の検査を実施し検査に合格している車体である旨を証明する手続きです。ここで知識として重要なのは、継続検査(これを一般的に車検と呼ぶ)と実施している検査自体は何ら変わりがない、ということです。

 これは書面を見た方が早いので画像を添付いたします。

予備車検の趣旨(なぜそんな仕組みがあるのか)

 予備検査を行う趣旨は、使用者の決まっていない自動車(小型自動二輪車:251cc以上)について、保安基準への適合性を確認することです。実際には使用者が決定している場合もあります。(ヤフオクやメルカリでの契約後に合意の上で予備検査を行うなど。)

 検査で適合性が確認されると「自動車予備検査証」が交付されます。

 そして、自動車予備検査証の「有効期間3ヶ月以内」に、新使用者の「使用の本拠」を管轄する運輸支局等に所定の書類を提出して登録をすることができます。ここに予備車検の意義が潜んでいると私は思います。

 販売店と新使用者(バイク購入者)の本拠が遠い場合、販売店の近くの自動車検査登録事務所に於いて予備車検を取得しておけば、それを新所有者に送付することで、新所有者の本拠(仮に新宿区住みなら練馬自動車検査登録事務所の管轄)で新所有者がナンバーを取得する申請をするだけで済むことになります。したがって、行政文書上は「使用者の決まっていない自動車…」という記載のされ方をしているものと思われます。

 使用者が決まっている場合には、ナンバーがなくても継続検査をすれば良い場合もありますが、使用者が決まっていない場合にバイクを販売したい場合、検査だけはバイクショップ管轄の検査場で検査したい、というのがこの制度が存在する意義でしょう。

予備車検の注意点

 予備車検は継続検査(くどいようですが一般的にこれを車検と呼ぶ)と検査内容は変わりませんが、法定点検がなされているとは限りません。エンジンオイルや冷却水やブレーキフルード等の液類がきちんと規定量入っているか、ショックのオイル漏れはないか等の点検がなされているとは限りません。特にヤフオクやメルカリなどでショップから購入し、予備検査を行なってもらう場合も法定点検がなされているとは限らず、納車後に整備が必要なことが多いです。誠実なショップであれば予めこれを注意して納車してくれます。これを「素通し」などと呼ぶこともあります。

緑ナンバーを個人で取得する考え方のコツ

 さて、上記までにおいて予備車検については説明し尽くしました。これ以降は二輪車事業用ナンバーを取得するための哲学、考え方のコツを記載します。営業ナンバーの申請に慣れている方はすでにご存知の内容ですが、注意点があります。

「貨物事業の申請」と「ナンバー交付」は別概念として捉える

 二輪で事業用ナンバーを取得するには、まず運輸支局の「輸送課」を訪れ、必要書類を提出し、確認を受ける必要があります。

 次に、運輸支局の「輸送課」殿へ貨物業の申請した上で、自身のお住まいの地域を管轄する「自動車検査登録事務所」でナンバーを交付していただくための申請をします。

 ここで大変重要なのは、「東京運輸支局の輸送課」「東京運輸支局〇〇自動車検査登録事務所」完全に別階層の組織だという点です。つまり、貨物業をする旨の申請先と、ナンバー交付の申請先は全く別になります。これは品川のナンバー管轄エリアに居住していない方に対してはトラップになりえますので、注意しましょう。

具体例(新宿区在住の場合)

 具体例を挙げますと、タイトルに記載の通り私個人は新宿区に居住しております。新宿区のナンバー交付等を管轄するのは「関東運輸局東京運輸支局練馬自動車検査登録事務所」です。緑色の営業ナンバーを取得する予定がないのであれば、最初からここに行けばいいです。

東武練馬駅の南口から徒歩15分くらい
関東運輸局東京支局練馬自動車検査登録事務所
練馬の登録事務所の総合案内

 しかし、緑色の営業ナンバー交付を申請したい場合、最初に書類を申請する必要があるのは、品川区東大井にある「関東運輸局東京運輸支局」です。つまり、東京運輸支局の輸送課があるのは都内では品川だけです。

「たまたま」品川自動車検査登録事務所が敷地内にある、関東運輸局東京運輸支局(品川)の総合案内板

 記載の意味がわかるでしょうか?「東京運輸支局」と「東京運輸支局〇〇自動車検査登録事務所」は組織内の階層が異なるのです。

 例えば、港区や品川区に居住しており、緑ナンバーを申請したい場合には、品川区東大井の東京運輸支局に行けば、そこではたまたま輸送課と自動車検査登録事務所が敷地内で併設されているため、敷地内で営業ナンバーの申請からナンバー交付までが完了します。

 しかし、仮に新宿区や練馬区に居住している場合すなわち品川自動車検査登録事務所の管轄でない地域にお住まいの場合、ナンバー交付を申請できるのは「練馬(または居住地を管轄する)自動車検査登録事務所」だけです。これを事前に承知していないと、練馬管轄だからと練馬の自動車検査登録事務所に最初に行っても、「品川で貨物業の申請してからまた来てくれ」と門前払いされるだけになります。

品川シーサイド駅から徒歩10分ほど

まとめると

 上記を一旦まとめると、緑ナンバー交付までの手順は、

 ① 貨物業を行う旨を提出・申請する

 :対応先は関東運輸局東京運輸支局輸送課 殿

 ② 運輸支局で受理され日付印が押された申請書類のコピーや原本を持参しナンバー交付の申請をする

 :対応先は関東運輸局東京運輸支局〇〇(居住地管轄の)自動車検査登録事務所 殿

 したがって、東京で個人でバイクの緑ナンバーを取得することを考慮すると、品川管轄の地域に住んでいた方が圧倒的に楽です。笑

 練馬、その他の品川以外の管轄だと、貨物業の申請先とナンバー交付の申請先の2箇所に赴く必要があります。

個人的には、上記の「組織階層の違いの認識」が緑ナンバー取得の考え方のコツであると考えております。

申請書類

 さて、上記までで申請先を整理することができましたので、あとは申請書類を用意するだけです。以下をご参照の上、コンビニで事前に印刷し記入して持参すると非常に楽です。

 私は、申請に関して輸送課で5分、自動車検査登録事務所で20分の合計25分でナンバーを交付してもらうことができました(品川から練馬への移動を除く)。

 現地で書類を記入することもできますが、極力わからない点だけ現地で記入するのが理想かと思います。

輸送課へ提出する書類(貨物業の申請)

貨物軽自動車運送事業経営届出書

補助様式は基本不要です。

事業用自動者等連絡書

運賃料金設定(変更)届出書

手数料納付書

中央下の経由印を押してくれる

手数料納付書は関東運輸局東京運輸支局の輸送課ではほとんど内容確認しませんが、経由印を押してくれます。この経由印がないとナンバーが交付されないのかは分かりかねますが、記入し持参する方が確実です

 なお、この記事の冒頭で述べたように、この手数料納付書を一枚見れば、どんな申請が可能なのか?が大体わかります。

 なお、貨物軽自動車運送事業運賃料金表という表形式の別書式がありますが、運賃料金設定(変更)届出書の余白に手書きで配達料金の詳細を箇条書きする程度で、ウーバーイーツなどのフードデリバリーの場合は「貨物軽自動車運送事業運賃料金表」は記載なしでそのまま提出するか、そもそも持参しなくても大丈夫です。

担当者によっては、「貨物軽自動車運送事業運賃料金表の余白に手書きしてください」、という指示があるかもしれません。

記載不要

輸送課に提出はしないが持参するもの(予備車検付きの場合)

⑤自動車予備検査証

 車両情報が含まれるため切り抜いておりますが、こんな書類です。上記で長々と説明した、予備車検に合格すると交付される書類です。

⑥自動車検査証返納証明書

 ヤフオクやメルカリの中古車で「書類あり」かつ「ナンバーなし」なら、この書類があるよって意味です。

譲渡証明書

⑧住民票

自動車検査登録事務所に提出するもの

上記までが終われば、貨物業をやるよ!という申請は完了したことになります。そして、いよいよ緑ナンバー発行の申請です!上記までの①から⑧までの書類のうち、控え等が返される書類は一応全て持参し、管轄の自動車検査登録事務所に向かいましょう。私は今回品川から練馬に移動するのが一番時間かかりました。上記に加えての必要書類は以下になります。

 ※窓口では上記で返納された控えと下記の書類を加えたものを一式提出して見てもらうと楽です。

⑨自賠責保険証明書

 練馬の場合は近くに代書屋さん(行政書士事務所)があり、自賠責保険にその場で加入できます。なお、250cc未満のバイクではコンビニ等で加入できますが、それ以上の排気量になるとコンビニでは加入できません。また、250cc以上のバイクはナンバー発行前でも、上記の自動車検証返納証明書等があれば加入でき、車体番号で加入することになります。原付のようにナンバーと自賠責保険を紐付けているわけではありません。ただし、新所有者の名前で加入するようにお願いしましょう。その確認のために住民票が必須かと思います。

➓OCR申請書

記入例(中古新規)

OCR申請書は実は輸送課では使用しないので拍子抜けします。笑

住所コードだけは自動車検査登録事務所で確認し、コードを記載しましょう。OCR申請書はコンピュータで読み取るため、鉛筆記入推奨です。

こんなんが現地にあります

11自動車重量税納付書(検査自動車)

重量税を納付するために使用します。今回の申請で、この書類がweb上で手に入らなかったため、現地の事務所内のレターケースから取って記入しました。重量税はわからなければ、一旦申請内容のみ記載及び提出し、「〇〇円納付してください」という指示に従い納付し印紙を貼り付けたのちに再度提出窓口で提出すれば良いです。

管轄地域のその自動車検査事務所ごとにオペレーションは異なるかもしれませんが、練馬では11まで終わると、車検証が交付され、すでにナンバーは決定している状態になります。

12軽減自動車税申告書(報告書) (現地でナンバー交付直前に記載)

 おそらく一番最後に記入することになる書類です。

お疲れ様でした。あとは、ナンバー発行の手数料だけ払えば緑色のナンバープレートを交付され、おしまいです。

まとめ

本稿での要件は、

・練馬管轄住み

・中古新規登録

・予備検査取得済み

・399ccバイク

と一見複雑そうに見えますが、整理してしまえば一瞬で終わるようなことです。個人的には現地で記入しようとするから混乱するのであって、事前に準備しておけば30分以内で終わります。(時期的な要素もありますが)

腐っても個人事業主ですから、自身で調べるか、行政書士に依頼するくらいの気概は必要かと思います。ここまで長文、かつ、駄文をお読みいただきありがとうございました。