ホームレスになって2カ月経った感想と反省

2025年4月6日

ホームレスになって2カ月が経過しました

私は現在東京都内にいるのですが、およそ2カ月前に賃貸借契約を更新せずに退去することを選択し、そこから次の賃貸を探すこともせずに世捨て人のようにホームレスになってしまいました。現在まで2カ月間のホームレス生活を振り返るとともに改善するべき点をブログにまとめて記載記録しておこうと思います。

これは統計上おそらく明らかですが、ホームレスの中には精神疾患を患っている方が多くいらっしゃるようですので、これからホームレスになろうとしている方の参考になればと、精神疾患を今のところ抱えていないホームレスの私が記事を書こうという魂胆です。自分が正常とは思っておらず、スペクトラムです。

ホームレスになった経緯

家賃が数カ月払えなくて追い出されるという典型的なものではありませんでした。現在私はフードデリバリー(UberEatsやmenuの配達)のみで生計を立てて(客観的に見て生計が立ってるかは知らないが)いましたが、自転車で毎月およそ15から20万円ほど(ここから自分で税金等を納める)稼ぐのが精一杯の状態でした。最近ではそこに物価高騰の影響も加わり、食費も思った以上に嵩んでしまい、家賃を支払うと自由に使えるお金が全くない状態でした。

その状態に一度陥るとなかなか抜け出せず、自営業の人間ならば経験があるかと存じますが、自転車操業状態から抜け出すためにはさらに稼ぐか、必要のないコストを限界まで削減して売り上げ金をプールし、経営的に再建を図る以外に道はなく(最近ではTwitterの大規模解雇が話題ですが、結局は今必要と思っているけれどもよく考えると実はいらなかったものを無くすしかない)、私は家賃を限界まで下げることを考えました。なぜなら、フードデリバリーの仕事の特性上、家に留まることは非稼働を意味し、売り上げが「無」な上にコストだけがかかっている状態だと思ったからです。よって、最大限家賃を削る方法を色々と考えました。フードデリバリーなんて辞めてしまえというご意見もあろうかと存じますが、いまのところは継続しております。

常人ならば考えないことだと思われますが、よく言われるように金銭的に余裕がない状態では思考力が下がっていることをもろに実感し、かつ、賃貸を退去する準備を諸々進めなければならず、掃除や片付けは性格上苦手な分野のため、その時には下記を考えることで精一杯でした。

  • 実家に戻る
  • シェアハウスに住む
  • ネカフェに泊まる
  • ホームレスになる

このうち、さらに常人ならば選択しないであろう最悪の選択であるホームレスになる、を選択しました。以前は会社員として働いており、終電を逃した際には公園で寝るという経験があったため、今思えばめちゃくちゃ安易な考えですが、ホームレス生活はこうして始まりました。意外とあっけないというか、YouTubeやネット記事でホームレスに対して取材し、なぜホームレスになったのか経緯を聞くコンテンツが存在しますが、そんな大そうな理由などないのです。笑 ただし、私個人としては、ホームレスには全く偏見が無いというか、上手く言語化できないのですが、ホームレスというライフスタイルがあってもいいような肌感覚は元から備わっていた気がします。これはおそらく私が東日本大震災の大きな被害を受けた県の震災当時その場にいたことも関係しているかも知れませんが無意識です。

選択肢の中の実家は、本当に馬鹿みたいなちっぽけなプライドですが、「高卒で就職し貯金して大学に通え」という教育方針だったため、大学に自分のお金で通うまで意地でも世話にならないと固執していました。

シェアハウスはシェアするくせに意外とお金がかかる、管理費で取り分を確保するビジネスなんだなと思い断念、というかあまり細部まで調べていません。何人住んだって本音の部分で管理費なんて変わらないよなという気もして若干違和感を感じました。まあ利益が出なきゃ不動産を貸す意味もないでしょうからそれを言ったらおしまいなのかも知れませんが。

ネカフェに泊まるですが、この選択は単純に料金が高くそれなら賃貸借契約を更新した方がいいに決まっているという感じで却下でした。現在までネカフェは一度も利用しておりません。

そもそもフードデリバリーをやっているのはなぜか

そもそもなぜ私がフードデリバリーをやっているのかというと、実は会社を早期退職(26歳の時に退職)した際には大学に通うことを目指していて、退職理由も「学業専念のため」で退職させていただき大学受験の勉強をやっていました。のちに別記事にまとめたいと考えていますが、この受験勉強のため1年間ガチで無職状態でした。結果から申し上げるとこの受験は自分が無能すぎて碌に成績も上がらず失敗に終わり、いつの間にか出来ていた借金(会社員時代の貯金を切り崩して生活していましたが、受験失敗後に新型コロナウイルスが日本にやってきました笑)だけが残りました。この借金は現在も鋭意返済中です。

会社員時代に過去預金残高が20万円を切ることはほぼなかったため、新型コロナウイルス襲来から一文無しになった私はパニックになり、プログラミングやら日雇いアルバイトやら色々やりましたが、結局一番確実にお世話になったのがフードデリバリーでした。現在語ればこの世のあらゆるヘイトが集まるフードデリバリーサービスですが、一番早く、そして確実に黒字になるのは大変助かりました。

ホームレスになった初期の感想と反省

さて、ホームレスになった初期を振り返り反省を記載します。まず第一に、寝具を購入していなかったこと、これに尽きます。私がホームレスになった時期は10月下旬の東京でしたが、それでも夜は寒すぎてまず眠れません。この時期以降おそらく4月頃までは路上や公園で相応の装備もなく寝てはいけません。死ぬからです。特に午前3-5時は地獄のような寒さでした。路上で寝ることを安易に考えていた私は「着込めば大丈夫」と考えており、素肌から順に下着(ヒートテック)、長袖シャツ2枚、薄手パーカー、ダウンジャケット、その上からさらにパーカー2枚を着て、しかも夜でも気温が10℃程度なのだから余裕やろ!と思っていましたが、全然眠れませんでした。寒さで1時間置きに目が覚め、疲れは取れませんでした。何度もくどいですが、風を防いだり、地面からの体温低下を防ぐ術、または、装備がないと着込むことはほぼ無意味です。

先に結論から書くと、この反省点は寝袋を購入することで解決しております。mont-bellはホームレスの味方です。素晴らしい。後にこちらもブログに記載したいのですが、「シームレスバロウバック」という化学繊維のもので、一番快適温度が低いもの(モンベルでは#0と0に収束するに従い快適温度が低い)、そして快適温度の割にダウン素材と比較して値段が安いものを購入しました。移動型ホームレスになる場合には化学繊維に比べ軽くて小さくなるダウンの寝袋をおすすめしますが、自由に使えるお金がなくホームレスになった人間が贅沢はしてられません。

その他のホームレス初期の反省としては、やはり荷物の多さです。賃貸を退去した際にほぼほぼホームレスとして生きていく上で必要のない物品と社会性は捨てたつもりだったのですが、結局衣類や靴、それに私の場合はフードデリバリーのバッグと、なぜか葬式に参加できるよう喪服と革靴、総じておよそ80Lリュックがパンパンになるほどの荷物がありました。これは冬だからというのもあります。上記に記載している通り、ほぼ衣類は無意味でしたが。こちらは初期の頃はその日暮らし的に駅のコインロッカーを借りて、日中はそこに荷物を入れて活動するという感じでした。後に月極のロッカーを借りました。こちらも後ほど記事にまとめたいです。駅のコインロッカーと月極のロッカーの違いは非常に重要です。駅のコインロッカー、ショッピングセンターのコインロッカー等、単発利用のコインロッカーは開閉タイミング及び当該ロッカーの規定で定められた基準時間越え毎に料金がかかるため、コスト面で非常に重要です。

次に風呂についてですが、これは都内に銭湯は腐るほどありますし、改めて述べることもなくジムの契約内でシャワーを浴びるのは風呂なし物件に住む際の定石となっているでしょうから省略します。ホームレスが何言ってんだと思われるかもしれませんが潔癖気味なので毎日風呂には入っています。

次に洗濯についてですが、これはホームレスに移行する前は公園の水道で洗えばいいと思っていたのですが、先人が生み出した三種の神器といわれるものの中に洗濯機があるのは侮りがたい事実です。なぜなら、公園では脱水ができないからです。あの回転力を生み出すこと、それが神のなせる業なのでしょう。冬は公園で洗濯したら(洗濯しちゃだめって江東区の木場公園には注意書きがありましたのでダメでしょう)凍って逆に荷物になるでしょう。おとなしくコインランドリーを使うのが結局安上がりだと最近感じています。だだし、銭湯横に併設されているようなコインランドリーを狙うべきだなと思います。都心にあるおしゃれなコインランドリーは洗剤が要らない代わりにおおよそ60分1000円が相場です。しかも、洗剤のいい匂いが市販の洗剤に比べてそんなに残ってくれないのでホームレスとしては不満です。さらに、ホームレスの衣類を1000円で洗い切ろうとすると乾ききりませんでした。対して銭湯横のコインランドリーやボロそうなところは300円で洗濯、100円で乾燥機が使用できることが多いです。洗剤は持ち歩く必要がありますが、これもホームレス生活の中でコスト面で重要な点です。

ホームレスになった中期の感想と反省

ホームレス初期の課題を解決しながら、ホームレスとして慣れてきた頃に見えてくる反省点について記載します。これは何といっても「雨」です。ホームレス初期の課題を解決すれば、ようやく落ち着いてホームレス生活を送れると思っていたのですが、そんなときに降り出すのが雨です。これは天候に関することなので小まめに天気予報を確認し、雨雲の動きに合わせて自分が動けるというホームレスのメリットを最大限活かすべきなのでしょうが、基本雨雲の方が動きが速いです。笑 折り畳み傘くらいは当然持っているのですが、ホームレス中期はそれ自体が荷物になる物品(「質量のあるもの」というのが表現として感覚的にあってる)を持つことが人生において損失でしかないと考えるようになってきました。

実は雨に対する反省は感じているものの、これは解決できておりません。テントは購入予定ですが、テント設営時も濡れるわけですし、テント自体が荷物になることは言うまでもありません。すなわち賃貸を借りることの本質とはパーティション機能と雨・各種天候災害から身を守る機能、加えて倉庫的機能なのだと実感しました。その機能と引き換えに設定された賃料を支払えるかどうか、じっくり見極めていきたいものですね。

それからこれはただの感想なのですが、フードデリバリーという仕事の特性とホームレスの特性はやはり場所に囚われないことだと強く感じるようになりましたので、冬が過ぎたら日本列島を北上しながらこの国をもう少しゆっくり見てみたくなりました。

ホームレスに対する偏見・差別について

これはただの個人的感想ですが、ホームレスそのものが「よくないもの」として見られているというのは非常に強く感じます。しかし、それはホームレスとして2カ月間生活した現実世界ではなく、主に「Twitterで」です。私はTwitterはやっていないのですが、webからTwitter検索機能で自分がネット上に晒されていないかエゴサしているので笑、その他のホームレスに対する偏見やヘイトの数々を目撃しますが、それはあくまでTwitterの中の話であり、現実の世界でそうなっているかはまったく別の話(当たり前なのですが)です。しかし、現実ホームレスが襲撃されたりする事件のニュースを見るたび、「ホームレスはよくないもの」という前提を疑うことは世間一般しないのだなと、悲しくなります。これは私の経験から現実世界を見た推測にすぎませんが、ホームレスにはまったくみえないホームレス、若い人を中心に増えているのではないでしょうか?

これからどうするか

ただホームレスを継続しているだけではおそらく死ぬまでホームレスだろうなと薄々感じているので、これからはホームレス生活によってプールした資金で何かしたいのですが、今は正直考える余裕がありません。また、大学受験には挑戦するつもりですが、年単位の戦いになるため、それが非常に不安(また一文無しになる可能性がある)だなという気持ちです。

このブログは続けていき、これからの人生を記録していきたいです。

ホームレス

Posted by oden