無職または無職予定で賃貸を借りる方法の探究
いかにも属性がブラックな感じがするタイトルですが、真面目に悩んでいる方も多くいらっしゃるであろうことから、本稿では私が無職でお部屋を…それも綺麗なお部屋を借りた方法と、その周辺事情について記録します。私と同じような志を持った「医学部再受験」合格を目指す方々と、属性的に私と同じく高卒で「医学部受験」「国立大受験」を目指す方々に関して、失敗者の意見や生活というものが、ネット上でも噂話でもあまり見えてこない現実があると思います。これは司法予備試験をはじめとする難関資格にも該当するものと思われます。
なぜ失敗者の意見が見えにくいのかというと、大体は消息不明になるからです。私もその気持ちがよくわかります。そして挑戦者は声高に目標を宣言し、成功者の意見に耳を傾けます。それは悪いことではありませんが、成功者は成功者ゆえに失敗者に道を示す術がありません。したがって、一度失敗しホームレスにまで転落した私が、無職状態において生活再建のために、そしてもう一度、不死身のメンタルで受験に挑むために無職で部屋を借りる方法を開示することが狙いです。

はじめに
初めに断らなれけばなりませんが、実家があるのに一人暮らしにこだわり受験勉強をするのはおすすめしません。かくいう私も、この度田舎の実家から上京しこの記事を書いているため、他人の事を指摘する立場にありませんが、それは一度ホームレスまで落ちた経験から、こうすればもう失敗しないとわかっているから、そして何より勉強習慣がついているからです。
しかしながら現実は、所謂毒親のもとを離れたい、または、獄中とも変わらぬような田舎を抜け出してみたいという方々がかなりの人数いらっしゃるような感覚(これはあくまで私の感覚ですが)があります。そもそも医学部再受験等と色々理由はつけているものの、実際は医師免許を取得して自立したい、といったところが本音であろうと推定できます。
この物価高騰の中、一人で部屋を借りるというのはおそらく実家暮らししかしたことのない方が想像するよりも大変です。毎月の家賃・光熱費・食費・社会保険料に追われ、気がつくとあっという間に1年が過ぎていきます。よって、まずは受験勉強を優先すべきなのか、それを差し置いても一人で部屋を借りるべきなのか塾考し天秤にかけることが肝要です。そしてすでに社会人の方に対して記載すると、勉強習慣の確立と合格への見通しが立ってから無職になることが大切です。当然のことのように思われますが、現状の労働環境が悪いとこの辺りを見逃しがちです。私はこの時点ですでに失敗していたのだと後に自覚しました。
前提条件
ホームレス時代に色々調べた結果、公園に住む、ネカフェに住む、Airbnbを利用するなどの短期滞在で雨風を凌ぐという術はたくさん学びましたが、この記事では「受験勉強を遂行する」という主だった目的から、1ヶ月以上の期間での賃貸借契約について記載します。また、全て住民票は取得可能であるものとします。
私自身の課題
無職または無職予定になり賃貸借契約を結びたい方はこの世界にたくさんいるものと思われますが、私自身の状況と課題はなんだったのか?を事前に記載しておきたいと思います。
私自身は、
・地方で仕事はしていた
・地方で実家暮らしだった
・都内で賃貸を借りたかった
・風呂なしでもエニタイムフィットネスが近くにあればそれで良かった
という状況であり、簡単にまとめると、
「地方で仕事はしているが、仕事の決まっていない遠方において賃貸借契約を締結したい」
というものでした。したがって、無職予定で、かつ、遠方で賃貸を借りたいことから本記事のタイトルのような属性に該当していました。もちろん社会人として人生が詰むリスクが高く甘い考えであることは自覚しております。
ただ、実はこれは、医学部受験や編入試験などで進学先が決まったものの連帯保証人が立てられない属性の人にも該当する可能性があり、それもこの記事を書こうと思ったきっかけです。つまり、人生逆転組の学生に当てはまる可能性があります。
賃貸借契約を結ぶ方法の流れ
賃貸借契約を結ぶ方法のフローは以下の通りとなるのが一般的であると思われます。
① 新居を探している者が物件を管理する不動産屋へ申し込み・問い合わせを行う
② 不動産屋からの返信・返答にさらに応じる形で軽い属性判断が行われる
③ 属性に問題がなければ契約を前提とした内見が行われる
④ 内見で住む意思表示をすると保証会社・管理会社の審査が行われる
⑤ 審査に通ると諸々の保険に加入する署名が必要になる
⑥ 初期費用の支払い
⑦ 重要事項の説明・鍵の受け渡し
平成初期の時代では一般的ではなかったかもしれませんが、特に都内の物件では家賃保証会社の利用が必須であることが当たり前になっており、物件の賃貸借契約の審査というのは管理会社の審査というよりも保証会社の審査というのが実際のところです。
おそらくこの記事に辿り着いた方はすでに色々調べており、保証会社にも色々な系列(金融系や独立系など)があるのはすでにご存知かと思いますので、その点は省略します。
無職または無職予定で賃貸借契約が頓挫するポイント
無職または無職予定を不動産屋さんに正直にゲロって頓挫するポイントは、上記フロー②の不動産屋さんの事前の属性診断の段階です。すなわち保証会社の審査すら行われません。不動産屋さんも仲介して利益をあげるのが仕事ですので、仲介が発生しないような無職を相手にしている暇はありません。
私は仕事を継続している時期に、「無職予定」であることを伝えて不動産屋さんに都内の物件を5つほど申し込みしました。家賃は都内では最安に当たるであろう共益費込みで3-4万円風呂なしの物件です。
結果、全て門前払いでした。
不動産屋さんの説明はみんな同じで、以下の通りにまとめることができます。
・学業に専念する場合 → 合格通知を提出すること + 連帯保証人を立てること
・仕事をしながら職場仮面浪人する場合 → 転職先の内定通知書を提出すること
・最悪の場合 → 預金審査可能な物件の紹介
当然こうなることは予想しておりましたが、合格通知書が社会的な信用に少しでも繋がることはこの時初めて実感しました。なお、預金審査に関しては成功例をあまり聞いたことがなく、中には株式投資で数億円を運用していても数十万の物件の賃貸借契約の審査が否決となることがあるようです。
最も綺麗に物件を借りやすい方法
無職または無職予定の方が最も綺麗に、すなわち王道として賃貸を借りる方法は、「連帯保証人」を用意することです。連帯保証人は民法上の強い間接強制力が発生するため、管理会社も賃貸を貸してくれる可能性が高まります。この時最も借りやすいのは諸々を考慮して、おそらくレオパレス様ではないでしょうか。
レオパレス様は無職でも「連帯保証人を用意することで」賃貸借契約を結んでくれる可能性が高いです。私が問い合わせた際も、連帯保証人を立てるならば物件を貸せる可能性はある旨の説明がありました。壁が薄いなど色々な批判がありますが、やはり無職予定の人間にとっては、希望の光を与えてくれる存在なのではないでしょうか。
なお、そもそも親族等の名義で契約する「代理契約」もこの項に含むものとします。当人が無職であっても契約者が有職者で信用があるならば、賃貸物件をクリーンに借りることができます。おそらく、多くの学生さんはそのように賃貸を借りているはずです。
確実に借りる方法
無職でも無職予定でもほぼ確実に物件を借りることが可能な方法があります。それはマンスリー契約を結ぶことです。これは言わば前払いと同じですから、賃貸物件をあらかじめ定められた期間、定められた料金で借りることができます。これは預金審査等もなく、預金そのものから先に前払いする方法ですから、そもそも賃貸借契約を結ぶ前にそれなりの預金の用意が必要です。
この方法は確実性が高く一人暮らしをお試しで始めてみるには最適な方法かと存じますが、いかんせん賃料が割高になります。体感ですが、マンスリー契約で借りられる物件は23区外であっても相場が8万円後半から20万円弱とかなり割高な印象を受けます。
ただしマンスリー契約には一般の賃貸契約にないメリットもあり、それは大体の物件がすでに家具家電が備わっており、水道光熱費が共益費に含まれている、ということです。
試してはいないが探究の価値がありそうな方法
私自身は試していませんが、賃貸借契約が可能かどうか試してみる価値がありそうなもう一つの方法は、取引態様が「貸主」の物件に申し込み、直談判してみることです。基本的には契約まで至らないとは思いますが、預金審査や前払いで年間契約の可能性は保証会社よりは高いかもしれません。
有名不動産物件プラットホームではなかなか貸主が登録している物件を探すことが困難ですが、ジモティーなど少し注意が必要ではあるものの貸主が借主を探しているようなものを探すのがおすすめかも知れません。
私がとった方法
結果的に私自身がとった方法はシェアハウスに入居することです。シェアハウス物件の良いところはマンスリー契約の利点とほぼ同じで、お金さえ払えばすぐに入居可能であることです。そして、共益費に光熱費やインターネット通信設備の使用料が含まれており、月々に用意しなければならない賃貸費用の上限が明確で金銭的な計画を立てやすいところも魅力に感じます。家具家電はすでに揃っていることが多く、必要なものはトイレットペーパーやシャンプーなどの日用品だけです。もちろん生計を一にしているわけではありませんから「世帯主」として住民票に登録可能です。(というか登録しなければならない。)
もちろんデメリットもあり、それは共同生活が苦手な人には圧倒的に向かないことと、おそらくの予想ですが賃貸料金の相場によって入居者ガチャを外す可能性があることです。加えて、友人等を部屋に呼ぶことが禁止されていたり禁煙だったりと、管理会社によって異なるものの、大体は似た条件かと存じます。
私自身はマンスリーマンションやマンスリー型賃貸よりは安いが、共益費を含めると一般的な賃貸契約よりは少々割高という物件を選び、快適な生活を開始することに成功しました。
私自身は遠方で契約を完遂したため、やり取りは1本の電話と複数回のメールの往復並びに初期費用の入金だけでした。内見も省略し上京と同時に入居しました。重要事項の説明は初日に行われ、その際に緊急連絡先を契約書に記載するのみで、特別な審査等は一切行われません。(審査が行われるか否かはシェアハウス管理会社によります)
また、短期契約が基本となっているパターンが多いため、一般的な賃貸物件を借りるための信用を築くうえでの言わば「繋ぎ」として、シェアハウスというのも悪くないなと思いました。
最大の課題
上記までの探究で主に4つの方法を紹介しましたが、これらの最大の課題は「東京」という大都市でしか通用しない、ということに尽きるでしょう。これはホームレス時代もつくづく感じたことですが、実は一般的認識とは反対で、経済的な弱者ほど都市部に集中せざるを得ない現実があるのではないでしょうか。
上記までで4つの方法を紹介しましたが、この記事が誰かの救いになりましたら幸いです。私自身はシェアハウスに入りましたが、これを繋ぎとして、もう少し賃料の安い物件に入居できればと考えております。
皆様も快適な住環境で受験勉強や資格勉強が遂行できることをお祈りしております。